シーチキンマヨネーズおむすび

「シーチキン」に代表されるツナ類とマヨネーズとの、相性の抜群の良さは議論を待たないところである。

確か、「コンビニエンスストア」がこの日本に出現し始めた当初から、「シーチキンおむすび」というものがお総菜コーナーの陳列棚に並んでいたのではなかったかと記憶している。もうずっと昔のガキの頃のことなので、とてもあいまいな記憶だが。

シーチキンおむすびよりも太古の昔から存在していたと思われる「ツナサンドイッチ」は、やはり、ツナとマヨネーズをあえたものをパンに挟んで食べるものであった。その応用として「シーチキンおむすび」が開発されたのであろうということは容易に推測できる。

シーチキンおむすびは、いまやコンビニエンスストアの代表的ヒット商品にまで成長した。私などは、梅・おかか・昆布といったなんの変哲もない具のおむすびの選択を敢えて避け、もっぱら最近は、シーチキンおむすびのみを食すようにしているくらいである。

さて、ここに「シーチキンマヨネーズ・和風味」との名前が付けられたおむすびがある。今日の夕方、セブンイレブンにて購入したものだ。「新発売」というシールが貼られている。そういえば、昨日までの陳列棚にはなかった種類のものである。

どの部分が「和風」なのか。いや、「和風」か。つまり、飯の中に入っている具が、和風の味つけをなされているということだ。たしかに、「シーチキンのマヨネーズあえ」というだけでは、和風の味にはなり得ない。しかし、もともと「おむすび」は和風の食品に違いないのだから、具としてたとえ「シーチキンのマヨネーズあえ」が入っていたところで、和風でなくなるはずがない。そのような前提で存在している食べ物にさらに「和風味」という言葉を加えることで、この食品の和風性をことさらに強調しているのがどうしても気にかかる。

一口、食してみる。なるほど、たしかに「和風味」という言葉をつけた意味に納得がいった。

いったいどういうことかというと、シーチキンへの味付けとして、マヨネーズのほかに「醤油」が加わっていたのである。醤油によってマヨネーズの粘度が適度に抑えられ、食感としては「おかかおむすび」のそれに近い。

実は、「醤油」と「マヨネーズ」という、調味料同士の相性も抜群によいのである。この知識は、マヨラー*の諸兄であれば本能的に感じていたことであろう。マヨラーの基本「マヨ飯」も、マヨネーズと醤油を使用して作られるからだ。

:マヨラー…日本マヨネーズ征服予定委員会(仮称)の推奨する、「マヨネーズファン」を意味する一般的呼称。

たとえば、ここにキャベツの千切りがあったとする。これに何をかけて喰うか。ソース?醤油?マヨネーズ?ドレッシング? どれも不正解だ。

正解は「マヨネーズと醤油の両方をかけて喰う」。正当派マヨラーの約 85 % がこの方法を採用しているという結果(私の妄想電波による調査)が出ている。

このような、ごく普遍的に実践されているテクニックがいままでコンビニの総菜で応用されていなかったのは驚きに値する。そしてまた、えてしてマニアックでニッチな市場ととらえられがちな我々マヨネーズファンの欲求に対して、「シーチキンマヨネーズ・和風味おむすび」という素晴らしい解答を、利潤追求の商業的舞台で見事に開花させたセブンイレブンにあらためて敬意を表したい。