「レギュラーガソリンを、500円分だけ入れてください」
なんて野暮なことを頼むのはケチな大阪人ぐらいだと思っていたのであるが、洗練された都市生活者であるところの拙者みずからそんなオーダーをするとは今日まで夢にも思っていなかった。
ようするに金がなかったのである。満タンに入れてしまうと、今夜食べるメシを買うための資金が無くなってしまうのだ。
この休日に予定外の出費を迫られてからというもの、一日予算 1000 円体制の生活で望んできた昨今、給料の支給日を翌日に控えてとうとう財源の shortage が深刻化したわけなのである。
そんなジリ貧生活もいちおう今日で終わり、明日の晩メシは松屋で豪勢に、かねてより念願だった『牛焼肉定食』でも食そうかといまから首を長くして待ちわびているのである。