[読了] ルポ 貧困大国アメリカ II

一番こわいものはテロリストでも大不況でもなく、いつの間にか私たちがいろいろなことに疑問を持つのをやめ、気づいた時には声すら自由に出せない社会が作られてしまうことの方かもしれません。(p.213)

国は一、二度の政権交代では変わらない。国民の判断で、その洗礼を繰り返し受けることで初めて、政治も社会も成熟してゆくのです。本当の絶望は、国民が声を上げなくなった時にやってくる。(p.215)

大学に入って学位でも取らなければ一生ワープアになってしまうという強迫観念から、学資ローンをめいっぱい借りて大学に進学したものの、もはや学位ぐらいでは満足な職は見つからなくなっており、いつのまにかローンも利率が変更されていて支払いきれなくなり、いつのまにか変わっていた法律によって自己破産しても学資ローンは免除されずに一生多大な負債を背負わざるを得なくなってしまう。詐欺まがいの方法で貧困層から新兵をリクルートし続ける軍。発展途上国よりも安い人件費ということで脚光を浴びる囚人労働力。国民皆保険制度がいつの間にか選択肢からまったく排除され、結局オバマはアメリカをチェンジできなかったと落胆するリベラル派の人々。

狭いテーブルの上に居続けられる人々はごくわずかだ。少しでも足元が狂って奈落の底に落ちてしまったら、そこから這い上がるすべは無い。日本だってそんな社会がもうすぐそこまでやってきているような気がする。

プロメテウス

評価:★★★☆☆

なんの予備知識もなく、予告編とかで出てくるガチムチ兄貴に惹かれて見始めました。

監督がリドリー・スコットだったり、途中からビジュアルがギーガー臭ぷんぷん漂い始めた時点で気がつくべきだったのですが、ラストシーンでやっと、ああ、これはここからエイリアンシリーズに続く前日譚としてのエピソードだったのだと初めて合点がいった鈍感な私ですいませんでした。

アンドロイドのデヴィッドの行動が謎すぎてよくわからなかった。あと、ホロウェイがなんとなくイチローに似てた。

監督:リドリー・スコット
出演者:ノオミ・ラパス、 マイケル・ファスベンダー、 シャーリーズ・セロン、 ガイ・ピアース
収録時間:124分
レンタル開始日:2013-01-09


Story
『エイリアン』の巨匠、リドリー・スコット監督が手掛けたSF大作。未知の惑星にたどり着いたエリザベスは、地球上の科学の常識では計り知れない驚愕の真実を目の当たりにし…。ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダーほか豪華キャストが共演。PG12 (詳細はこちら

[読了] ビジネス書大バカ事典

評価:★★★★☆

現在日本で手に入る成功本(モドキ…「だれでも成功できる」「だれでも金持ちになれる」などと謳っている本)はほとんど 思考は現実化する (ナポレオン・ヒル)や 7つの習慣 (スティーブン・R・コヴィー)のパクリだと断言し、勝間和代、苫米地英人、本田健などの著作を一刀両断しているのが痛快だった。

ただ、便所を素手で掃除することに対して批判していたかと思えば、後半、(読むに値する自伝的ビジネス書の)永守重信(日本電産)のエピソードでも同じようなことが出てくるのにそれにはノーコメントだったり、ところどころ論理の矛盾があったように思う。

ていうか、文体がブログとか2ちゃんに書いているような感じなので、(金儲けして億万長者になる、という意味でのいわゆる)成功を手にできなかったおっさんが愚痴をぶちまけている感じもしないではない。