朝、歩いて通勤途中というか家を出てすぐ、メキメキメキバリバリバリというすごい音が聴こえたのでその方向を見ると、じじいの運転するクルマが診療所の駐車スペースに止めようとしてバックで勢い余って隣接する民家の植樹をなぎ倒そうとしていた。
危ないなぁ、気持ち悪っ、と思いながらも、そのクルマの前を通り過ぎないと先へ進めないので注意深く歩いていたら、いきなりそのクルマが今度は猛スピードで前進してきて道を横断し、私のすぐ前をかすめて右側のコンクリート塀に激突した。あと一歩でも前方に自分が位置していたらクルマと塀の間に挟まれて骨折でもしていただろう。
運転手のじじいは「スイマセンスイマセン」といいながらバックしていった。
自分が轢かれたとかあるいは車が大破してたとか運転手の意識がないとかだったら助けでも呼んだのだが、そうではなかったし、多少気が動転したがそれよりもなによりもバスに遅れそうだったのでそのまま現場を立ち去った。
昨今よくある老人の異常運転の被害に遭いそうになったわけだが、一歩間違えたらもしかしたら最悪自分が死んでたかもと思うと、あとあと思い返すにつけ、血の気が引いて背筋が凍る思いでしばらく震えが止まらなかった。